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みなさんは、潜在精巣(陰睾、停留睾丸)をご存知でしょうか
潜在精巣とは、よく子犬にあるもので、
両側または左右どちらかの精巣が陰嚢(袋の部分)内に下降していない状態のことをいいます。
実は、精巣というのは生まれた時から体の外にあるわけではありません。
まだお母さんのお腹の中にいるときは腎臓の後方(お腹の中)にある状態で、
生後1~2ヶ月までに成長とともに正常な位置まで降りてきます。
〇:お母さんのお腹の中にいる時の精巣の位置
☆:生後約1か月後の精巣の位置
潜在精巣と一概に言っても、場所が決まっているわけではありません。
皮下潜在精巣(皮膚の下に精巣が存在している状態)または、
腹腔内潜在精巣(お腹の中に精巣が存在している状態)などがあります。
皮下の場合は、触って位置を確認することも出来るのですが、
腹腔内の陰睾丸の場合、触診では確認が難しいことが多くエコー下での確認を行います。
エコー下でも確認が困難な場合は去勢手術の際に開腹を行い、
お腹の中にとどまっている睾丸を探して摘出を行います。
身体の中に留まっているのであれば、そのままでもいいのではないか、
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は潜在精巣を放っておくことにはリスクがあります。
精巣が陰嚢(袋の部分)内に降りずに体内に停留し、温度が高い状態にあると正常に精子が作られず、
中年齢以降で精巣の腫瘍を引き起こす可能性が高くなります。
潜在精巣はどの犬種にも起こりうる疾患で、若齢期において犬自身の自覚症状はありません。
また、遺伝的な要因が疑われるため、私たち飼い主に行える予防法もありません。
去勢手術をしていない男の子を迎え入れた場合、
一度かかりつけの動物病院に全身状態のチェックをしてもらいましょう
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