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犬猫に寄生する回虫類には、犬回虫と猫回虫、犬小回虫の3種がいます。
犬回虫は犬 猫回虫は猫が主な終宿主(寄生虫が成体になった時に寄生する生物)です。犬小回虫は犬猫、さらにその他の食肉目に寄生し、フェレットにも猫回虫と犬小回虫の寄生が認められました。回虫類の成虫は終宿主の小腸に寄生します。
犬回虫、猫回虫は世界的に広く分布し、日本全国でも多くの発生がみられます。
一方で、犬小回虫は世界的に分布していますが、発生頻度が高い地域と低い地域があり、日本での発生はあまり多くありません。日本国内での寄生例として、輸入してきた犬猫、動物園のトラやライオンにしばしばみられるほどです。
犬回虫の成虫は主に90日齢未満の幼犬に寄生しますが、稀に成犬にも寄生します。猫への寄生例もあるようです。
猫回虫は年齢問わず寄生し、時として、感染した猫が虫体の塊を吐くこともあります。犬には寄生しません。
また、犬回虫、猫回虫はどちらも人に感染します。人に寄生した場合、人の体内に侵入した回虫は、成虫になれず幼虫のまま全身に寄生します。症状はいろいろありますが、肺炎や眼症状を示すことが多いようです。
<犬回虫・猫回虫の形態と生活>
犬回虫、猫回虫は白色または黄白色をしたひも状の寄生虫です。
雌雄異体(雌と雄が別々の個体であること)で、一般に雄虫よりも雌虫の方が大型です。
虫卵はいずれもほぼ球形で、宿主の動物の糞便中に排泄された虫卵は外界で発育し、内部に幼虫が形成されます。
感染方法としては、終宿主である犬・猫が虫卵を口から摂取したり、ネズミやミミズなどの感染した待機宿主を捕食したりすることで経口感染を起こします。その他に、犬回虫は妊娠時に胎盤を通して胎子に感染する胎盤感染、さらに、犬回虫・猫回虫ともに、分娩後に乳汁の中に幼虫が入り、乳汁から子犬・子猫に感染する経乳感染があります。
犬回虫、猫回虫の感染方法のほとんどが胎盤感染・経乳感染なので生まれながらにして、または生まれた直後から寄生されていることが多いです。
<症状と治療>
症状は主に下痢ですが、成犬や成猫では、あまり激しい下痢を起こすことはなく、無症状でいることも多いです。子犬や子猫の場合は重症になることがあり、多くの回虫が寄生すると、小腸が閉塞してしまい、生命の危機に至ることがあります。さらに、脱水や削痩、発育不良などもおきます。
治療としては、駆虫薬を使用します。ペットショップなどでも販売されていますが安全性などから、動物病院で処方を受けるほうがより安全だと思います。また、下痢をしている場合には下痢止めなどを投与し、必要に応じて点滴なども行います。
<予防>
予防としては、飼育している犬、猫の糞便検査を行い寄生虫がいた場合、または、糞便中に成虫が排泄されていた場合には、駆虫薬を使用して駆除を行えば安全です。また、回虫類は糞便中で成長するので、排泄された糞便を早めに片づけることも大切です。
参考文献 犬・猫・エキゾチックペットの寄生虫ビジュアルガイド
イヌ・ネコ家庭動物の医学大百科
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