子猫の育て方

春は猫の出産シーズンです。
そのため、育児放棄や人間によって捨てられた子猫を見かけるかもしれません。
思わぬ巡り会いで保護した時に困らないよう、離乳前の子猫の育て方について紹介したいと思います。

<保護したら行うこと>
●保温
生後、間もない子猫は自分で体温維持をすることができません。
そのため、保護したらまずは保温をしてあげましょう。
寝床内の温度は常に30℃前後を保つ必要があります。

●動物病院へ連れて行く
保護した子の健康状態や日齢によって育て方が違ってきます。
動物病院で診てもらい、健康状態と誕生日の推定を知りましょう。
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●準備するもの
寝床用の入れ物(ダンボール箱、プラスチックケース、発泡スチロールなどを利用する)
子猫用のミルク、哺乳瓶、保温器具、毛布、体重計(はかり)

<育て方>
●寝床づくり
ダンボール箱などで入れ物を用意したら、毛布やフリースなどを敷きます。
保温器具は子猫の体に直接触れると低温やけどの恐れがあるので、必ず毛布やフリースの下にいれましょう。
保温器具はペット用ヒーターや湯たんぽなどを使用します。
子猫は適温の場所に自分で移動することができないので、定期的に人の手で暖かさを確認して、30℃前後を保てるようにして下さい。

●食事
生後3~4週齢まではミルクだけが食事となります。
必ず「子猫用」と明記されているミルクを与えて下さい。
ミルクの濃度はパッケージを参考にして、人肌くらいの38℃を目安に作ります。
飲ませる時の姿勢は立たせた状態で飲ませます。仰向けの姿勢で飲ませると誤嚥を起こす危険があるのでやめましょう。
目安としては3~4時間おきにミルクを与えますが、健康状態や日齢によっては2~3時間おきに与える必要もあります。子猫の状態に合わせてミルクを与えましょう。
また、乳首の穴が大きすぎてミルクが出過ぎてしまっていると鼻からミルクが出たり、むせたりします。誤嚥を起こす危険があるので、そんな時は乳首の交換をして下さい。
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[ミルクを飲まない原因と対策]
・衰弱していて吸う力がない。
→スポイトや注射器で少しずつミルクを飲ませる。
・ミルクの温度が低すぎたり熱すぎる。
→38℃を目安に与える。与えている間に冷める場合は湯煎などで温めなおす。
・哺乳瓶の乳首に馴染まない。
→子猫の口に合ったサイズの乳首に変更する。
・空気ばかりを飲んでしまい満腹になっている。
→哺乳瓶の角度に気をつけ、乳首の部分をミルクで満たして空気が無い状態で授乳する。背中をさすったりしてゲップをさせる。

●排泄
子猫は生後21日齢ころまでは自力で排泄することができません。
本来は、母猫が子猫の陰部や肛門を舐めて尿や便の排泄を促します。
[排泄の介助の仕方]
ぬるま湯で湿らせたガーゼやコットンで陰部や肛門を軽く刺激します。
ゴシゴシ拭いたり、こすると炎症が起きてしまうので、やさしくトントンと叩くようにします。排泄の介助は起きた時、授乳前や後に行います。
[子猫の便秘]
ミルクだけで栄養を摂っている時期は便量が少なくなるため、2~3日便が出ないこともあります。
体重が増えない、減少する、お腹がパンパンに張っているなどの症状があれば動物病院へ連れて行きましょう。

●体重測定
30日齢までは毎日体重を量って健康状態の目安にします。
この時期の子猫の体重は毎日約10gずつ増加します。
ミルクを飲む前や排泄を済ませた後など、毎日同じ条件で体重を量るようにします。
体重が減っていたり、変化がない日が続く場合はミルクの量が足りていなかったり、病気が隠れていることもあるので、早めに動物病院へ連れて行きましょう。

<子猫の発育と年齢の目安>
・出生時~生後3日目
出生時の体重は平均80g~100g
へその緒がついていて、目は開いてなく、耳も聞こえない。
・生後4日~6日目
へその緒が乾き、自然に落ちる。早い猫では目が開きだす。
・生後7日~9日目
目頭から目が開き始める。体重は200g~250g。
・生後10日~14日目
目が完全に開き、目が見えるようになる。耳も聞こえ始める。
・生後3週目
体重400g前後。よちよちと歩き出す。
乳歯が生え始める。出たままだった爪をひっこめられるようになる。
・生後4週目
離乳食が食べられるようになる。

自力で何もできない赤ちゃん猫のお世話は大変なことが多いと思います。
しかし、大変なことばかりではなく、育てていくと日々成長の変化を感じられ、発見や喜びもあります。
赤ちゃん猫も生きようと頑張っているので、お母さん代わりになって愛情を注いであげて下さい。

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